ジェラール・ジュリアン Gérard Julien 1900年前後にニュイ・サン・ジョルジュの南、コンブランシアン村に創業したこのドメーヌは、フラッグシップの「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ」や「ニュイ・サン・ジョルジュ」の他、「エシェゾー」まで、合計10haを所有する名門です。 1969年にドメーヌを継承した3代目ジェラール・ジュリアンは、当時35歳だった1976年、「まさしく完璧な年じゃった」ことを記念して、「コード・ド・ニュイ・ヴィラージュ」をより長期熟成できるように仕込み、例年以上に大量にビン詰めしました。以来、66歳になった今日まで、熟成による変化を翁自身堪能しながら、個人のワイン愛好家やフランスのレストランなどに細々と販売してきました。 このAOCとしては芸術品の域に達しているような、極めて素晴らしい古酒なのですが、販売目的というよりもほとんど翁の楽しみと化しているため、その価格設定が凄まじく、長いこと参考希望小売価格は約25,000相当から変わりませんでした(・・・)。しかし、息子のエティエンヌが2010年にドメーヌを継承し、優れたワインを造るようになって翁も安心したのでしょう、あの超頑固爺様がすっかり好々爺になり、「まだまだ大量にあるからのう、少しじゃったらええじゃろう」ということで価格を下げてくれました。これでも高いのかもしれませんが、翁がこのような仕込み方をしたのは人生でただ1回だけ、この「コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ 1976」のみであり、また、その古酒としての見事さを考えると、この作品の中には通常の常識を超える価値が宿っているように思われてなりません。生産者蔵出しではほとんど入手不可能なヴィンテージです。「ニュイ・サン・ジョルジュ 1976」も貯蔵していましたので、特別に譲り受けました。 |
生産者蔵出しではほとんど入手不可能なヴィンテージです。